クレジット売掛金の処理

簿記債権債務商品売買
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この記事では、クレジット売掛金の処理について見ていきます。クレジット売掛金勘定は、小売店などで商品等を売り上げたときに、その支払いをクレジットカードで行われた場合に使用される勘定です。クレジットカードが使用された場合、自社の代わりに代金を回収してくれる信販会社に対して代金決済のための手数料を支払う必要があるため、クレジット売掛金の処理には必ず手数料の処理がセットでついてきます。

クレジットカードが使用された場合の決済の流れ

クレジット売掛金

商品を販売したときにクレジットカードが使用された場合、そのデータが販売のたびに信販会社に送信され、1か月に1回など一定期間ごとにまとめて支払いが行われます。一定期間中の金額がまとめて支払われるという点は、通常の売掛金(掛取引)の場合と変わりはありません。

ただし、クレジットカードが使用された場合は、信販会社に一定の手数料を支払うことが必要になります。これは、信販会社が商品の販売先である消費者から自社の代わりに代金の回収を行ってくれるからです。この手数料は、通常、一定期間ごとに行われる支払額から天引きされる形で支払うことになります。

クレジットカードを使用した場合、その利用者(消費者)は、一括払い、分割払いなどの支払方法を選択することができます。しかし、どのような支払方法が選択されたかによって、商品を販売した企業側の処理が変わることはありません。信販会社からの支払い(上図の左側の赤矢印)は、消費者が選択した支払方法にかかわらず、一括で支払われることが基本となるからです。一括払い、分割払いといった支払方法の選択は、利用者(消費者)が信販会社に対して支払う方法(上図の右側の赤矢印)の選択なのです。

商品を販売したときの処理

商品を販売し、その支払いがクレジットカードで行われたときは、将来、信販会社から受け取ることのなる金額をクレジット売掛金勘定に記録します。クレジット売掛金勘定は資産の勘定ですから、新たに商品を販売したときは、クレジット売掛金勘定の借方にその金額を記録します。

なお、信販会社から受け取ることのできる金額は、信販会社に回収してもらう金額から、その信販会社に対して支払う手数料の額を差し引いた金額です。手数料として支払う金額(回収金額に対する割合)は、信販会社と契約を結んだときなどに決められていますから、実際に信販会社から支払いを受ける前に(商品を販売したタイミングで)その金額を確定してしまうことができます。

【設例1】商品50,000円を売り上げ、代金はクレジットカードにより支払われた。なお、当社は、クレジットカードが使用された場合、信販会社に対して回収金額の3%を支払うこととなっており、その金額は、販売時に支払手数料勘定に計上することとしている。

取引の要素

  • 商品50,000円の売上げ → 売上勘定・貸方
  • 手数料1,500円発生 → 支払手数料勘定・借方
  • クレジット売掛金48,500円発生 → クレジット売掛金勘定・借方
*1 手数料の額:商品の販売代金50,000円×3%=1,500円
*2 クレジット売掛金の額:商品の販売代金50,000円-手数料1,500円=48,500円

仕 訳

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
クレジット売掛金48,500売上50,000
支払手数料1,500  

信販会社から入金があったときの処理

信販会社から入金があったときは、その入金による預金の増加を記録するとともに、クレジット売掛金勘定の残高を減らします。クレジット売掛金勘定は、将来に信販会社から受け取ることのできる金額が記録される勘定ですから、金銭を受け取ったときは、その金額を記録上も減らしてあげる必要があるわけです。

【設問2】【設問1】のクレジット売掛金48,500円が当社の当座預金口座に入金された。

取引の要素

  • クレジット売掛金48,500円の減少 → クレジット売掛金勘定・貸方
  • 当座預金48,500円の増加 → 当座預金勘定・借方

仕 訳

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
当座預金48,500クレジット売掛金48,500

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