現金取引とは、現金勘定に記録が行われる取引のことをいいます。現金勘定の処理については、(1)現金勘定にはどのようなものが記録されるのか、(2)現金勘定への記録をどのように行うのかの2つを抑えることが大切です。
現金勘定に記録されるもの
現金勘定に記録されるものは、大きく通貨と通貨代用証券の2つに分けられます。
通貨とは、国またはこれに相当する地域(EUなど)が発行し、その価値を管理しているもの(法定通貨)をいいます。地域通貨、仮想通貨、ウェブマネーなど、日常生活のなかで通貨と同じように使用されるものもありますが、これらはいずれも国等が発行したものでも、国等によって価値が管理されているものでもないため、簿記上の通貨には該当しません。
通貨代用証券とは、金融機関などにおいて、誰でも、無条件に、同額の通貨(法定通貨)と引き換えることができるものをいいます。具体的には、第三者が発行した小切手(他人振出小切手)、送金小切手、ゆうちょ銀行で発行される普通為替・定額小為替、配当金領収書などが通貨代用証券に該当します。
現金勘定への記録の方法
現金勘定に記録されるものは、いずれも企業が将来の活動に使用することができる財産です。このため、これらが記録される現金勘定は、簿記上、資産の勘定として取り扱うことになります。
資産の勘定では、金額が増加したときに借方、金額が減少したときに貸方にその金額を記録します。現在保有している金額(残高)ではなく、取引による増減額が記録されることに注意してください。
設例
次の取引を仕訳しなさい。
- 商品8,000円を売り上げ、代金は現金で受け取った。
- 通信費5,000円を現金で支払った。
1. 現金が増加したとき
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
現金 | 8,000 | 売上 | 8,000 |
2. 現金が減少したとき
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|
通信費 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
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