仕訳日計表の作成

簿記の考え方簿記
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仕訳日計表とは、1日の間に、どの勘定のどちら側にどれだけの金額が記録されたかをまとめた集計表です。仕訳日計表を作成すると、1日の間にどれだけの取引があったかを把握することができるとともに、完全ではないにせよ、ある程度であれば仕訳に誤りがないかどうかを確認することができます。

なお、1日ではなく、1週ごとに記録をまとめた仕訳週計表というものもあります。仕訳週計表についても、これから説明する仕訳日計表と同じように作成することができます。

仕訳の金額を勘定科目、借方・貸方ごとに集計する

仕訳日計表は、その日に行われたすべての仕訳の記録を、勘定ごとにまとめたものになります。仕訳日計表を作成するにあたっては、1つの仕訳もとりこぼしてはなりません。必ず、すべての仕訳の金額を集計してください。なお、借方に記録された金額と、貸方に記録された金額は、それぞれ別々に集計します。

たとえば、1日の間に、次のような仕訳が行われていたとしましょう。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
旅費交通費400現金400
消耗品費3,500現金3,500
現金4,800売上4,800
現金2,200売上2,200
現金2,700売上2,700
現金1,600売上1,600
水道光熱費9,000普通預金9,000

これらの仕訳をもとに、各勘定に記録された金額を、借方・貸方別に集計してまとめると、次のようになります。

仕  訳  日  計  表
借方勘定科目貸方
11,300現金3,900
 普通預金9,000
 売上11,300
400旅費交通費 
3,500消耗品費 
9,000水道光熱費 

例えば、現金勘定の借方には11,300と記録されていますが、これは上の仕訳において借方に現金勘定の記録が行われているものの金額をすべて合計したものになります(=4,800+2,200+2,700+1,600)。同様に、貸方の3,900は、貸方に現金勘定の記録が行われているものの金額をすべて合計したものです(=400+3,500)。どの金額も、これと同じように計算されたものですので確認してください。

なお、普通預金勘定の借方のように、その日において一度も仕訳されていないものについては、「0」とはせずに記録を省略します。

借方・貸方に記録された金額をそれぞれ合計する

勘定ごとに、借方・貸方のそれぞれに仕訳された金額を集計したら、次のように、借方に記録された金額と、貸方に記録された金額をそれぞれ合計します。

なお、借方、貸方それぞれの合計金額の上には一本直線を引きます。これは、「この直線の下の金額は、仕訳の金額を集計した結果ではなく、この直線の上に書かれている金額を集計したものです」ということを表します。小学校のころ、筆算をするときに、式と答えの間に直線を引いたと思いますが、それと同じ意味合いになります。この直線のことを合計線といいます。

仕  訳  日  計  表
借方勘定科目貸方
11,300現金3,900
 普通預金9,000
 売上11,300
400旅費交通費 
3,500消耗品費 
9,000水道光熱費 
24,200 24,200

たとえば、借方の一番下に書かれている24,200は、その上に記録されている金額をすべて合計したものになります(=11,300+400+3,500+9,000)。同様に、貸方の24,200も、上に記録されている金額の合計額です(=3,900+9,000+11,300)。

借方合計と貸方合計が一致することを確認する

通常、仕訳日計表では、借方に記録された金額の合計と、貸方に記録された金額の合計が等しくなります。それぞれの合計金額を計算した後、両者が一致することを確認したら、その確認が終わったことを記録上も明らかにするため、金額の下に二重線を引きます。この二重線のことを締切線といいます。

仕  訳  日  計  表
借方勘定科目貸方
11,300現金3,900
 普通預金9,000
 売上11,300
400旅費交通費 
3,500消耗品費 
9,000水道光熱費 
24,200 24,200

仕訳では、借方に記録した金額の合計額と貸方に記録した金額の合計額が必ず等しくなります。したがって、それらの金額を集計して作成された仕訳日計表でも両者は必ず等しくなります。借方合計と貸方合計が一致しない場合は、仕訳か集計のどちらかで間違えているので、記録を今一度確認しなければなりません。

なお、借方合計と貸方合計が一致したからといって、仕訳や集計にまったくが間違いがないといえるかというとそうではありません。仕訳を行っていなかったり、二重に行っていたり、また、仕訳を行うにあたって、借方の金額と貸方の金額を同じように間違えたりといったケースでも、仕訳日計表の借方合計と貸方合計は一致してしまうからです。

したがって、1日の記録を終えるにあたっては、仕訳日計表の借方合計と貸方合計が一致したことで満足してしまうのではなく、もともと仕訳されていた金額も簡単に確認しておくようにするとよいでしょう。

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