送金小切手・郵便為替の処理

簿記現金預金
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取引先に対して送金を行う手段として小切手がありますが、小切手は当座預金口座を開設していなければそもそも使用することはできません。当座預金口座を開設するには金融機関による審査を受ける必要があり、事業を開始して間もない企業であったり、資金力の乏しい企業はなかなかこの審査をクリアすることができません。

送金小切手や郵便為替(普通為替・定額小為替)は、このような小切手を振り出すことができない(当座預金口座を開設していない)人や組織にとって、小切手と同じような形で送金できるようにするものになります。

送金小切手・郵便為替を用いた送金の流れ

送金小切手

送金小切手とは、銀行等の金融機関の窓口に、送金したいお金と手数料を持参して発行してもらうものになります。発行された送金小切手は、郵便などで送金先に送ります。送金先となった相手が、現地の金融機関で受け取った送金小切手を換金すると、送金は完了となります。

わが国では、主として外国への送金手段としてこの送金小切手が使用されてきましたが、近年では、大手銀行のなかでも、送金小切手の取り扱いを終了するところが出てきました。送金小切手が国内の送金に使用されることがなかったのは、わが国では銀行口座を持っている人や組織がほとんどであり、口座間の振り込みで足りていたからといわれています。

ただし、近年では、銀行の経営状況が悪化していることから、口座開設・口座の維持に一定の手数料をとるようになってきていること、個人で事業を行う人が増えていることなどから、今後は、あえて銀行口座を開設しないという選択肢をとる企業も出てくる可能性があります。この意味では、口座が開設されていることを前提としない送金小切手にも再び焦点があてられることがあるかもしれません。

郵便為替(普通為替・定額小為替)

郵便為替とは、ゆうちょ銀行(旧・郵便局)が発行する送金用の証書です。送金小切手とは発行主体が違うだけで、具体的な送金の方法も送金小切手の場合と同じです。

郵便為替には、金額を自由に設定できる普通為替と、お札のように券面額が決められている定額小為替の2つの種類のものがあります。定額小為替には、50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1,000円の12種類のものがあります。普通為替の手数料は1枚437円(送金額5万円未満)、662円(送金額5万円以上)であり、定額小為替の手数料は1枚当たり100円です。どちらを使用するかは手数料との兼ね合いで決めることになります。

郵便為替は国内の送金にも使用されますが、普通為替に記載できる金額は1枚あたり10万円の上限が決められているため、一度に大きな額がやりとりされる企業間取引にはあまり向いていません。

送金小切手・郵便為替の処理

支払側の仕訳

送金小切手・郵便為替の発行を受けたとき

送金小切手・郵便為替を発行してもらうときには、送金額と手数料をあわせて銀行やゆうちょ銀行(以下、まとめて金融機関といいます)の窓口に支払うことになります。このうち送金額部分については、金融機関ではなく、相手に支払ったものとして記録を行います。一方、手数料部分については、普通に手数料を支払ったものとして記録を行います。

【設例1】買掛金85,000円を支払うため、郵便局で普通為替を作成した。送金額および手数料の合計85,662円は現金で支払った。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
買掛金85,000現金85,664
支払手数料664  

送金先で送金小切手・郵便為替が換金されたとき

送金先で送金小切手・郵便為替が換金されたときに、送金側が行う仕訳はありません。送金先に対する債権・債務関係の変化について必要な記録は、送金小切手・郵便為替の発行を受けたときに終わっているからです。

受取側の仕訳

送金小切手・郵便為替を受け取ったとき

送金小切手・郵便為替は、ともに他人振出小切手と同じく通貨代用証券に分類されます。通貨代用証券については、実際に通貨(お札や小銭)との引き換え(換金)が行われていなくても、それらを受け取った時点で現金勘定に仕訳を行います。

現金の相手勘定としては、送金小切手や郵便為替を受け取った理由となるものを記録します。さきほどの【設例1】でいえば、送金元は掛代金を支払うために郵便為替を送ってきているのですから、お金を受け取る側も掛代金(売掛金)を減らすように仕訳を行うことになります。

【設例2】得意先から売掛金85,000円を普通為替で受け取った。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金85,000売掛金85,000

送金小切手・郵便為替を換金したとき

受け取った送金小切手・郵便為替を換金したときに、受取側が行う仕訳はありません。厳密にいえば、換金により、現金(送金小切手・郵便手形)の減少と、現金(お札や小銭)の増加が起こっていますが、どちらも現金勘定で処理されるものですから、記録を行っても意味がない(現金勘定の金額は増減しない)のです。

なお、換金により受け取ったお金を預金口座に預け入れたときは、現金を預金口座に預け入れたときと同じように仕訳をします(現金の減少と預金の増加)。

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