電子記録債権とは何か
最終更新日:2023年12月03日
電子記録債権とは、約束手形や為替手形をペーパーレス化したものをいいます。電子記録債権に係るデータは、電子債権記録機関に集約され、指定の期日が到来したタイミングで決済の処理が行われます。
現在、小切手や手形については、ペーパーレス化の議論が進められており、約束手形については、経済産業省が2026年をめどに廃止する方針であるとの報道もあります。今後、口座振込みの上限額を超えてしまう場合、後日、一定のタイミングで支払いを行いたい場合などにおいては、電子記録債権・電子記録債務が主たる手段として使われることになっていくでしょう。
電子記録債権による決済の流れ
電子記録債権による決済の流れを図にまとめると次のようになります。オレンジの矢印がお金の流れ、緑の矢印が電子債権に係るデータの流れになります。

事前に行っておくこと
電子記録債権を利用して支払いを行うためには、支払側、受取側ともに電子記録債権の利用者として登録を済ませている必要があります。相手が電子記録債権の利用者登録をしていない場合は、登録を依頼するか、他の手段での送金を考える必要があります。
なお、電子記録債権では、約束手形の場合と同じように、支払期日を指定できますから、その期日までに預金口座に十分なお金を預け入れておけば、発生記録請求を行うときに十分な残高がなくても問題ありません。
発生記録請求
電子記録債権を利用したいときは、取引銀行を通じて、電子記録債権記録機関に、支払期日、支払者、受取者、支払金額等の記録を行ってもらいます。これを発生記録請求といいます。発生記録請求は、原則として支払者が行いますが、受取者側から行うこともできます。
発生記録請求には一定の手数料がかかります。ここで支払った手数料は、支払手数料勘定などの適切な勘定に記録しておきます。
電子記録債権の決済
電子記録債権は、指定した支払期日が到来すると銀行間で決済されます。約束手形のときのように、取立ての依頼を行う必要はありません。受取側は、その金額を利用者登録の際に登録した預金口座で受け取ることになりますが、ここで受け取る金額は、金融機関が受け取る一定の手数料が差し引かれた残額となります。