海老原諭ウェブサイト

売掛金元帳への記録

売掛金元帳の様式

得意先欄
各ページの冒頭に、そのページがどの得意先に対する売掛金の額を記録するためのページであるかを明らかにするために、その得意先の名前を書きます。
月・日欄
売掛金を増減させる出来事があった日付を書きます。なお、記録を一定期間ごとにまとめて行う場合であっても、月・日欄に記録する日付は(記録を行った日ではなく)、その出来事があった日付となります。
摘要欄
売掛金が増減した原因・理由を記入します。
借方金額欄・貸方金額欄
借方金額欄と貸方金額欄には、売掛金に係る取引が行われた際に、その増減額が総勘定元帳上、記録が行われる側(借方か貸方か)と同じ側に、その金額を記録します。すなわち、売掛金が増加したときは借方、減少したときは貸方にその金額を記録します。
借/貸欄
残高金額に記録された金額が借方残高であるか、貸方残高であるかを、それぞれ「借」「貸」の1文字で表します。
残高金額欄
得意先に対する売掛金のその時点における残高金額(まだ回収していない金額)を記録します。

売掛金元帳への記録

借方金額欄への記録

商品を掛けで売り上げたとき

商品を掛けで売り上げたときは(売掛金が発生したときは)、その商品を売り上げた日付を月・日欄に記入したうえで、発生した売掛金の額をその原因・理由ごとに分けて摘要欄借方金額欄に記入します。なお、1つの取引で複数行を使うことになるため、次の取引の記録とごちゃごちゃにならないように、取引ごとに一本線を引いて区切ります。

なお、消費税が発生している場合は、標準税率(10%)のものか軽減税率(8%)のものかが分かるように、税率を明示しておく必要があります。上の例では、A商品もB商品も10%でしたので、商品側の注記を省略していますが、標準税率のものと軽減税率のものを同時に売り上げた場合は、標準税率が適用されるものがどれで、軽減税率が適用されるものがどれかが分かるように、商品側にも何らかの注記をつけておく必要があります。

残高金額欄には、直前の残高金額欄に記入されている金額(25,300円)に、借方金額欄に記入した金額の合計額(15,000円+10,000円+2,500円=27,500円)を加えた金額(25,300円+27,500円=52,800円)を記入します。また、売掛金勘定は資産の勘定ですので、借/貸欄は「借」となります。

貸方金額欄への記録

売掛金を回収したとき

売掛金を回収したときは(売掛金が減少したときは)、その回収した日付を月・日欄に記入したうえで、減少した売掛金の額を貸方金額欄に記入します。なお、銀行振込で回収する場合などは、振込手数料などを売手側が負担することがありますが、売掛帳はあくまでも売掛金の状況を記録するための会計帳簿ですから、振込手数料の額が差し引かれる前の売掛金の純粋な減少額を記録します。

残高金額欄には、直前の残高金額欄に記入されている金額(52,800円)から、貸方金額欄に記入した金額(25,300円)を差し引いた金額(52,800円-25,300円=27,500円)を記入します。また、借/貸欄は「借」となります。

返品を受けたとき、値引き・割戻しを行ったとき

かねて掛けで売り上げていたた商品(売掛金の増加を記録していたもの)について、返品を受けたり、値引きや割戻しを行った場合は、この返品や、値引き・割戻しによる売掛金の減少を、摘要欄貸方金額欄に、その原因・理由ごとに記録します。

残高金額欄には、直前の残高金額欄に記入されている金額(29,700円)から、貸方金額欄に記入した金額の合計額(4,000円+400円=4,400円)を差し引いた金額(29,700円-4,400円=25,300円)を記入します。また、借/貸欄は「借」となります。

割引きをしたとき

売掛金を早期に回収するため、売掛金を早く支払ってくれた得意先に対しては、支払額の一部を免除することがあります。これを売掛金の割引といいます。

この場合、得意先から支払われる金額は、割引をした分、当初の売掛金の額よりも少なくなりますが、売掛帳の貸方金額欄には、割引額を差し引く前の当初の売掛金の額(その回収によって、今後、受け取ることができなくなる=受け取ったものとして取り扱う売掛金の額)を記入します。貸方金額欄に記入される金額は、割引額だけ、実際に回収した金額(割引額を差し引いた後の金額)よりも多くなります。