海老原諭ウェブサイト

商品有高帳の締切り(後入先出法)

ページの繰り越しを続けていくと、受入欄および払出欄に書かれる合計数量、合計金額がどんどんと大きくなっていきます。このままでは集計の手間が増えていく一方ですので、一定期間ごとに記録をリセットするための作業を行います。この作業のことを締切りといいます。

ある期間の記録を終えるときの記録

区切られた期間の記録を終えるときは、まず、残高欄に最後に行われた記録を払出欄に書き写します。次の期間の商品有高帳に残高を移すために、その期間の商品有高帳から払い出すとイメージしてください。ただし、これは本来の意味での払出しとは異なりますので、その記録は赤字で行います。また、後入先出法では、商品を受け入れた順が重要になりますから、残高欄に単価の異なる複数の記録がある場合は、そのすべてを順番を変えずに払出欄に書き写します。

次に、受入欄、払出欄に一本線(合計線)を引いた後に、それぞれの数量および金額を上から下まで合計した結果を書きます(払出欄については、最終残高を書き写したものも合計に含めます)。その期間のうちに、返品、値引き、割戻しがあり、赤字で減少数、減少額が記録されている場合は、その数量および金額はマイナスしてください。上の例の受入欄をみてみると、数量欄は200単位(=50単位+80単位+90単位-20単位)、金額欄は129,600円(=30,000円+52,000円+61,200円-13,600円)となります。なお、単価欄については何も記入する必要はありません。後入先出法では、仕入れたタイミングごとに単価が区別されますから、そのページに記録された数量や金額を合計して求めた単価に意味はありません。

受入欄、払出欄それぞれの数量および金額が一致していれば、そのページの記録に間違いがなかったことになります(ページの繰越しが正しく行われていれば、前のページ以前に間違いは残っていないはずです)。

新しい期間の記録

新しい期間の記録を始めるときは、直前の期間の最後に払出欄に記録された数量、単価および金額を受入欄と残高欄に記録します。新しい期間の会計帳簿には、まだ何も記録されていませんから、受入欄に記録した金額がそのまま残高欄の記録となります。なお、単価の異なる複数の記録がある場合は、その順番を変えずに、そのまま新しい商品有高帳に書き写してください。