商品有高帳・ページの繰越し(移動平均法)
記録を行っているページの残り行数が少なくなってきたら、繰越しという作業を行います。繰越しは、そのページの記録が正しく行われているかを確かめることができるだけでなく、そのページと次のページの記録が連続していること(間のページが抜き取られていないこと)を証明するという意味でも重要な作業です。
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商 品 有 高 帳 | |||||||||||
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商 品 X | |||||||||||
月 | 日 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 | ||||||
数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | |||
4 | 1 | 前月繰越 | 50 | 600 | 30,000 | 50 | 600 | 30,000 | |||
5 | 売上 | 30 | 600 | 18,000 | 20 | 600 | 12,000 | ||||
8 | 仕入 | 80 | 650 | 52,000 | 100 | 640 | 64,000 | ||||
13 | 売上 | 40 | 640 | 25,600 | 60 | 640 | 38,400 | ||||
19 | 売上 | 30 | 640 | 19,200 | 30 | 640 | 19,200 | ||||
22 | 仕入 | 90 | 680 | 61,200 | 120 | 670 | 80,400 | ||||
〃 | 次のページに繰越 | 220 | 143,200 | 100 | 62,800 | 120 | 670 | 80,400 |
受入欄・払出欄
受入欄および払出欄については、そのページに記録されている数量および金額をそれぞれ上から下まで合計し、その結果を一本線(合計線)を引いた後に書きます。たとえば、上の例では、受入欄については数量が220単位(=50単位+80単位+90単位)、金額が143,200円(=30,000円+52,000円+61,200円)になります。一方、単価欄については何も記入する必要はありません。移動平均法では、商品を仕入れたタイミングごとに単価が計算しなおされますから、そのページに記録された数量や金額を合計して求めた単価に意味はありません。
残高欄
残高欄については、そのページの最後に行われた残高欄の記録をそのまま書き写します。
残高欄の記録を書き写したら、そのページの記録が正しく行われているかの確認を行います。数量、金額のそれぞれについて、受入欄に記入した合計数量、合計金額から、払出欄に記入した合計数量、合計金額を差し引いて、その数量、金額が残高欄に記入した数量、金額と一致するかを確かめてください。上の例を使って説明すると、数量欄については、受入欄と払出欄の差が120単位(=220単位-100単位)で、残高欄の数量が120単位ですから両者は一致しており、金額欄についても、受入欄と払出欄の差が80,400円(=143,200円-62,800円)で、残高欄の金額が80,400円ですからこちらも一致しています。このような状態になっていれば、そのページの記録に問題はありませんので、次のページの記録に進みます。そうでなければ、そのページの記録のどこかに誤りがありますので、次のページに進む前にその誤りを見つけて、修正することが必要になります。
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商 品 有 高 帳 | |||||||||||
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商 品 X | |||||||||||
月 | 日 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 | ||||||
数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | |||
4 | 22 | 前のページから繰越 | 220 | 143,200 | 100 | 62,800 | 120 | 670 | 80,400 |
新しいページの記録は、ページを繰り越すにあたって直前のページの最後に書かれた受入欄、払出欄および残高欄の記録をそのまま書き写します。直前のページの記録と、新しいページの記録に同じ記録が書かれていることで、途中のページが抜き取られていないことの証明になります。