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営業活動の元手となる財産の受け入れ

財務活動と営業活動

企業が行う活動は、財務活動と営業活動の大きく2つに分けられます。財務活動とは、何もないところから元手となる財産を集めてくるための活動で、営業活動とは、その元手となる財産を増やしていく活動です。企業の目的は、その活動を通じてお金を増やしていくことにありますが、元手となるお金がなければ、営業活動を始めることすらできません。財務活動は、営業活動を行うに先立ってどの企業であっても必要になります。

企業の営業活動のための財産の特定

簿記では、企業の財産の状況を適切に把握するため、記録の対象となる財産を特定する必要があります。会社を設立して事業を行う場合はもちろんのこと、会社を設立せずに個人で事業を行う場合も、私的に保有する財産と営業活動に使うための財産はしっかりと区別し、後者(営業活動に使う財産)だけを記録の対象としなければなりません。

簿記は、営業活動を行う企業の立場から行います。このため、たとえ自分でお金を出した場合であったとしても、(企業の立場から)営業活動の元手となるお金を出してもらったと考えて記録を行うことになります。

元手となる財産を受け入れたときの処理

会社を設立せずに営業活動を行う場合

会社を設立せずに営業活動を行う場合、現金や預金の増加を記録するとともに、その金額を元入金勘定の貸方に記録します。

営業活動のために現金50,000円を投入した。

(借) 現金 50,000
(貸) 元入金 50,000

会社を設立して営業活動を行う場合

会社を設立して営業活動を行う場合、現金や預金の増加を記録するとともに、その金額を資本金勘定の貸方に記録します。

会社の営業活動のために現金50,000円を投下した。

(借) 普通預金 50,000
(貸) 資本金 50,000