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定額法による減価償却費の計算(原則的な方法)

最終更新日:2024年02月25日

定額法とは、有形固定資産に係る各期の減価償却費の額を、その有形固定資産の要償却額(取得原価から残存価額を控除した残額)を耐用年数で割ることによって求める方法です。各会計期間の長さと各会計期間中の使用期間が同じであれば、各期に計上される減価償却費の額は一定の金額になります。

定額法による減価償却費の計算

会計期間の長さが1年間の場合

会計期間の長さが1年間である場合、各期の減価償却費の額は、次の計算式によって求められます。

減価償却費の額(1年分)=(取得原価-残存価額)÷耐用年数

取得原価とは、有形固定資産を企業自身が使用できる状態にするまでに要する金額のことをいいます。取得原価は、その有形固定資産自体の価額(購入代価)に、引取運賃、運送に係る保険料、据付費、登記・登録料、関税などの額(付随費用)を加えて計算されます。

残存価額とは、有形固定資産自体やその部品等をその使用後に売却したときに受け取ることができると見込まれる金額をいいます。残存価額は、有形固定資産を取得等するにあたって支払った金額のうち、最後に取り戻すことができる金額を意味するため、減価償却費の計算にあたっては、その取得原価の額から控除されます。

耐用年数とは、有形固定資産を企業が本来の目的に使用できると見込まれる期間を年数の形で表したものになります。

このように、減価償却費の計算にあたっては、残存価額と耐用年数を見積もることが必要になります。企業は、使用できる情報(業者から入手した情報、過去の実績値)を十分に考慮して、これらの見積もりを行います。

なお、会計期間の中途に取得等したり、会計期間の中途に売却等したりした場合は、当期中の有形固定資産の使用期間が1年に満たないことになります。このような場合は、月単位、日単位など合理的な方法で使用期間を計算したうえで、上記の計算式で求めた金額をその使用期間に応じた金額に修正します。たとえば、当期中の有形固定資産の使用期間が8か月で、月割計算を行う場合、当期の減価償却費は次のように計算されます。

減価償却費の額=((取得原価-残存価額)÷耐用年数)÷12×8か月

会計期間の長さが1年未満の場合

会計期間の長さが1年未満である場合、各期の減価償却費の額は、次の計算式によって求められます(会計期間の長さを月数で計算できるものとします)。

減価償却費の額=(取得原価-残存価額)÷(耐用年数×12÷会計期間の月数)

このように、減価償却費の計算式は、耐用年数のところが変わります。会計期間が1年間であったときは「その耐用年数は【1年】が何個分か」を考える必要がありましたが、会計期間が1年未満となるときは「その耐用年数は【その会計期間】の何個分か」を考える必要があります。

また、この場合も、会計期間の中途に取得等したり、会計期間の中途に売却等したりした場合は、この計算式で求めた金額を修正する必要があります。たとえば、会計期間の長さが9か月、そのうち当期中の使用期間が6か月で、月割計算を行う場合、当期の減価償却費は次のように計算されます。

減価償却費の額=((取得原価-残存価額)÷(耐用年数×12÷9か月))÷9×6か月

会計期間の長さが9か月ですので、月割計算を行うにあたっては、12ではなく9で割ることになります。

端数の処理

各期の減価償却費の計算には割り算が使われますので、減価償却費の計算にあたっては、小数点以下の端数が生じることがあります。この場合、端数をどのように処理するか(切上げ、四捨五入、切捨てなど)は、企業のなかでルールを決めて、これにしたがって処理するようにしてください。「この方法でなければダメ」というものはありませんが、ルールなく場当たり的な処理をするのは望ましくありません。

設例による解説

【設例】20X1年7月1日、営業車として使用するために乗用車2,000,000円を購入した。この乗用車において、各期の財務諸表に計上される車両運搬具勘定、車両運搬具減価償却累計額勘定および減価償却費勘定の金額を求めなさい。なお、この乗用車の耐用年数は4年、残存価額は200,000円であり、各期の減価償却費の計算は定額法、仕訳は間接法によって行う(1年未満の期間に対応する金額は月割計算によって行い、計算上、1円未満の端数が生じた場合は切り捨てる)。また、会計期間は、毎期4月1日から翌3月31日までの1年間である。

この乗用車について、各期の財務諸表に計上されるそれぞれの金額をまとめると、次のようになります。

会計期間 貸借対照表 損益計算書
車両運搬具 車両運搬具減価償却累計額 減価償却費
20X1年度(20X1/4/1~20X2/3/31) 2,000,000 337,500 337,500*1
20X2年度(20X2/4/1~20X3/3/31) 2,000,000 787,500 450,000*2
20X3年度(20X3/4/1~20X4/3/31) 2,000,000 1,237,500 450,000
20X4年度(20X4/4/1~20X5/3/31) 2,000,000 1,687,500 450,000
20X5年度(20X5/4/1~20X6/3/31) 2,000,000 1,800,000 112,500*3

耐用年数いっぱいまで減価償却を行うと、この乗用車に係る車両運搬具勘定の帳簿残高(間接法で仕訳している場合は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額)が、当初に見積もった残存価額と等しくなります。

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