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生産高比例法による減価償却費の計算

生産高比例法とは

生産高比例法とは、過去の実績や統計などによっておおよその総使用可能量が分かっている有形固定資産について、各期の使用量をもとに減価償却費を計上していく方法をいいます。生産高比例法によれば、有形固定資産をたくさん使用した会計期間には多額の減価償却費が、あまり使用しなかった会計期間にはそれほど多くない減価償却費が計上されることになります。

減価償却費の計算

減価償却費の計算方法

生産高比例法において、各期の減価償却費の額は、次の計算式によって計算されます。

減価償却費=(取得原価-残存価額)÷総使用可能量×各期の使用量

【例】20X1年1月1日に40,000円で取得した車両運搬具について、生産高比例法により減価償却を行う(仕訳は直接法)。この車両運搬具の残存価額はゼロ、総走行可能距離は100,000 km、各期の走行距離は30,000 km、28,000 km、24,000 km、18,000 kmであった。

各期の仕訳

20X1年12月31日

減価償却費の額:40,000円÷100,000 km×30,000 km=12,000円

(借) 減価償却費 12,000
(貸) 備品 12,000
20X2年12月31日

減価償却費の額:40,000円÷100,000 km×28,000 km=11,200円

(借) 減価償却費 11,200
(貸) 備品 11,200
20X3年12月31日

減価償却費の額:40,000円÷100,000 km×24,000 km=9,600円

(借) 減価償却費 9,600
(貸) 備品 9,600
20X4年12月31日

減価償却費の額:40,000円÷100,000 km×18,000 km=7,200円

(借) 減価償却費 7,200
(貸) 備品 7,200

以上の仕訳をもとに、期首および期末の帳簿価額、減価償却費の額をまとめると次のようになります(参考までに各期間における走行距離をあわせて表に入れてあります)。各期の減価償却費の額は、車両運搬具の走行距離に応じて変化していることが分かります。

帳簿価額(期首) 期中の走行距離 減価償却費 帳簿価額(期末)
2001年 40,000 30,000 km 12,000 28,000
2002年 28,000 28,000 km 11,200 16,800
2003年 16,800 24,000 km 9,600 7,200
2004年 7,200 18,000 km 7,200 0