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商品の払出原価の計算方法

払出原価とは

商品の払出原価とは、売り上げ、見本品や試供品としての提供などによって商品を引き渡した場合の、その商品の取得原価のことをいいます。払出原価は、商品が外部に引き渡された場合には売上原価その他の費用の額となり、内部で使用される場合には費用だけでなく資産の額を構成することもあります。

払出原価は、商品を引き渡すつど計算されることもありますが、決算において、期中の発生額をまとめて計算してしまうこともあります。また、1つ1つの商品の取得原価をそのまま利用するだけでなく、一定の仮定に基づいて算術的に求めてしまうこともあります。

払出原価の計算方法

個別法

個別法とは、1つ1つの商品の取得原価を個別に把握しておき、払い出しがあったときに、その商品に割り当てられておいた取得原価をそのまま払出原価として使用する方法です。たとえば、取得原価10,000円の商品を払い出したら、その10,000円がそのまま払出原価となります。

先入先出法

先入先出法とは、同一種類の商品について、(実際にはそうでなかったとしても)先に仕入れたものから順に払い出したものと仮定して払出原価を計算する方法です。

先入先出法による払出原価の計算

移動平均法

移動平均法とは、同一種類の商品について、企業保有する商品の取得原価は、(実際にはそうでなかったとしてお)いつ仕入れたものであっても同じ金額であると仮定して、商品を仕入れるつど、または、払い出すつど保有する商品1単位あたりの平均取得原価を計算しなおす方法です。

総平均法

総平均法とは、同一種類の商品について、企業保有する商品の取得原価は、(実際にはそうでなかったとしてお)いつ仕入れたものであっても同じ金額であると仮定して、会計期間ごとに商品1単位あたりの平均取得原価をまとめて計算する方法です。

売価還元法

売価還元法とは、同一種類の商品について、会計期間ごとにその会計期間中に売り上げた商品の売上原価を、その売価から逆算して求める方法です。