海老原諭ウェブサイト

現金出納帳の繰越し・締切り

次のページへの記録の繰越し

会計帳簿では、前のページから次のページに移るときに、途中のページが抜き取られていないことを保証するため、繰越しという作業を行う必要があります。

前のページ

次のページに記録を繰り越すにあたっては、まず、収入金額欄に記録されている金額と、支出金額欄に記録されている金額を上から下まですべて合計し、その結果を一本線を引いた下に書きます。なお、この合計金額のすぐ上に引く一本線のことを合計線といいます。

次に、収入金額欄の合計金額から支出金額欄の合計金額を差し引いた金額を残高金額欄に書きます。この金額が直前の残高金額欄に記入されている金額と一致していれば、そのページの記録に誤りがなかったことになります。もし、2つの金額が一致していない場合は、そのページで行った集計作業(残高金額欄に記入する金額の計算、または、借方金額欄・貸方金額欄それぞれの合計金額)に誤りがありますので、その誤りを修正してください。

次のページ

次のページの1行目には、前のページの最終行に書いた収入金額および支出金額の合計額と、最終の残高金額をそのまま書き写します。前のページの最終行に書かれた3つの金額と、次のページの1行目に書かれた3つの金額は必ず一致します。あとから現金出納帳を確認したときに、これらの金額が違っていた場合、その間のページが抜き取られている可能性があります。

次の期間への記録の繰り越し(締切り)

このような形でページの繰り越しを続けていくと、収入金額欄と支出金額欄に記録される合計金額がどんどんと大きくなっていってしまいます。そこで、1週、1か月、1年といった区切りのいいタイミングで期間を区切って、収入金額欄、支出金額欄に記録された合計金額をリセットするという作業が行われます。この作業のことを締切りといいます。

繰越元

締切りにあたっては、次の期間に繰り越す金額(最も新しい残高金額欄の金額)を支出金額欄に書き写します。ただし、この金額は実際に支出した金額ではない(次の期間に渡すという意味では「支払った」とも考えられますが)ので、通常の支出金額の記録と区別するために赤字で記録します。

その後、収入金額欄に記録された金額、支出金額欄に記録された金額を上から下まですべて合計します。その結果、2つの合計金額が一致すれば、そこまでの記録および締切りの作業に問題がなかったということになります。この場合、2つの合計金額が一致することを確認したことを表すために、それらの金額の下に二重線を引きます。また、月・日欄および残高金額欄についても、その期間の記録がすべて終わったことを示すために、二重線を引いておきます。

繰越先

繰越先の新しい現金出納帳では、直前の現金出納帳の最終残高(赤字で繰越額として記入した金額)を収入金額欄と残高金額欄の2か所に記録します。締切りという作業によって、繰越前の合計金額はすべてリセットされてしまった状態ですので、新しい現金出納帳にはゼロから記録を行っていく必要があります。ここでは、直前の期間から残高金額を「受け取った」と考えて記録を始めていきます。