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金銭債権の貸倒れ

売掛金や貸付金のように、将来に金銭の支払いを受けることができる権利のことを金銭債権といいます。金銭債権については、通常、その予定された期日に支払いを受けることができますが、相手方の倒産等によって、支払いを受けることができなくなることができます。これを金銭債権の貸倒れといいます。貸倒れが生じてしまったときは、その金銭債権を「もう受け取ることができないもの」と考え、その金額を売掛金や貸付金勘定から取り除く必要があります。
 →貸倒れが生じたときの処理

期末に保有する金銭債権について将来に貸倒れが生じることが予想される場合(過年度の実績から一定割合の貸し倒れが生じると見込まれる場合を含む)、その状況を財務諸表の利用者にも明らかにするため、決算にあたって、貸倒引当金を設定することが行われます。貸倒引当金の設定には、将来に予想される損失の額を前倒しで当期の費用として処理する効果があります。
 →貸倒引当金の設定

貸倒れとなった金銭債権については、その後、債権者集会の決議などによって、その一部を回収できる場合があります。この場合、貸倒れたときに計上した損失を取り消す処理が必要になりますが、前期以前に貸倒処理が終わっている場合は、取り消すべき貸倒損失の額が繰り越されていませんから、その金額を別の勘定(償却債権取立益)に計上することになります。
 →貸倒処理済みの金銭債権の回収

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