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三分法

三分法は、商品売買取引を記録する方法のひとつで、かつ、分割法とよばれるものの一種です。

分割法では、商品売買取引の記録と、売上原価または商品売買益(粗利)の計算が別々に行われます。

分記法売上原価対立法では、商品を売り上げたときに、企業が保有する商品が減少したことを記録することが必要になります。このため、これらの方法で記録を行うためには、商品の動きを常に把握しておく必要があるのですが、活動拠点が複数あったり、1日の取引量が多かったりする企業では、必ずしも簡単なことではありません(特にITを活用することができない企業や、しきれていない企業では)。

また、会計帳簿への記録は貨幣額によって行わなければならないので、商品1個(1単位)ごとの取得原価を(できる限り)リアルタイムで把握しておく必要があるのですが、運送料や保管料のように、付随費用が後から発生する(請求される)ような商品については利用がしにくいという問題もあります。

分割法では、これらの問題点を考慮して、商品を売り上げたときに、商品が減少した記録を省略することとしています。顧客にどれだけの商品が販売されたか(売上原価)や、商品を販売したことによってどれだけの利益を得られたか(商品売買益)については、リアルタイムではなく、原則として、会計期間ごとにまとめて計算されることになります。

三分法では、商品売買取引を、原則として、仕入、売上および繰越商品の3つの勘定を使って記録します。このうち、会計期間中の記録は仕入および売上の2つの勘定を使って行い、繰越商品勘定は売上原価を計算するときに売上原価に算入されない商品の額(まだ販売されていないの額)を記録するために使用します。

三分法の勘定連絡図